新潟県立万代島美術館「日韓近代美術家のまなざしー『朝鮮』で描く」展の開場式は、池田千絵子新潟県副知事の主催者挨拶と、劉泰和領事からの祝辞の後、テープカットがおこなわれました。
経済だけでなく、「美術的な豊かさとともに、精神的な豊かさをわけあう交流」を、という劉領事の言葉が印象的でした。
本展覧会は、20世紀前半期の日韓の近代美術を紹介するもの。韓国近代美術史を代表する美術家たち、韓国にゆかりが深い日本の美術家たちの作品に加え、これまでほとんど注目されてこなかった戦前の在「朝鮮」日本人作家の作品などを交え、最新の研究成果を反映させて多数紹介する、と案内がありました。5年に及ぶ研究の成果とのこと。
開場式の後に展覧会を見ましたが、いままであまり知らなかった、日本の画家たちの韓国との交流や、韓国の日常を描いた作品から伝わってくる日本との違いや共通点は、とても興味深いものでした。子どもたちが遊ぶ様子を描いた金俊根(キム・ジュングン)「朝鮮風俗画」には、思わず笑顔になってしまいました。
また、本展覧会には、「第25回にいがた国際映画祭」で上映される「ふたつの祖国、ひとつの愛~イ・ジュンソプの妻~」の、イ・ジュンソプの作品も4点展示されています。
映画「ふたつの祖国、ひとつの愛~イ・ジュンソプの妻~」は、近代韓国の国民的画家イ・ジュンソプとその妻、山本方子。国の違いや困難を乗り越えて夫婦となり、引き裂かれてからも互いを想いあった二人の姿を、「台湾人生」「台湾アイデンティティー」の酒井充子監督が追ったドキュメンタリーです。
6月28日(日)には、シネ・ウインドにて、酒井充子監督のトークイベントも開催されます(トーク聞き手:高晟埈 新潟県立万代島美術館主任学芸員)。
映画を見る前に本展覧会を見ておくと、映画がより身近に感じられると思います。
(月刊ウインド編集部 市川明美)
※取材報告は月刊ウインド7月号に掲載予定です。
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「日韓近代美術家のまなざしー『朝鮮』で描く」
会期:2015年5月16日(土)~6月28日(日)
※5月18日(月)、6月1日(月)、6月15日(月)休館
開館時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)
会場:新潟県立万代島美術館(新潟市中央区万代島5-1 万代島ビル5階)
入場料:一般1100円、大学・高校生900円
※中学生以下無料
※障害者手帳・療育手帳をお持ちの方は無料(受付で手帳提示)
主催:新潟県立万代島美術館、読売新聞社、美術館連絡協議会、TeNY テレビ新潟
問い合わせ:新潟県立万代島美術館
電話025-290-6655 FAX 025-249-7577
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