「第10回安吾賞」受賞者発表記者会見に行ってきました

シネ・ウインド

12月17日、新潟市役所で行われた「第10回安吾賞 受賞者発表記者会見」に行ってきました。

第10回安吾賞は佐藤優さん、新潟市特別賞は外山陽子さんが受賞されました。
おめでとうございます。

佐藤優氏写真
佐藤優さん (写真 永井浩)

佐藤優(さとう まさる)さんは作家で、元外務省主任分析官。
02年、背任と偽計業務妨害罪容疑で東京地検特捜部に逮捕、起訴され、以後東京拘置所に512日間勾留。
05年に発表した『国家の罠』(新潮文庫)で第59回毎日出版文化賞特別賞を受賞。翌06年には『自壊する帝国』(新潮文庫)で第5回新潮ドキュメント賞、第38回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。『獄中記』(岩波現代文庫)、『宗教改革の物語』『危機を克服する教養』(角川書店)など著書多数。(資料より)
外山陽子氏写真
外山陽子(とやま ようこ)さんは新潟県女子体育連盟会長。新潟中央高校のダンス部を率い、神戸市で行われる全日本ダンスフェスティバルにおいて文部科学大臣賞を始めNHK賞、神戸市長賞、等々数多く受賞。新潟県女子体育連盟会長としても、幼・小・中・高・特別支援・生涯体育の研修会や講演会を開催。(資料より)

三枝成彰選考委員長は、佐藤さんの選考理由について、「定見や常識にとらわれず、政治、経済、社会、文化の裏面に隠されたものを独自の視点から読み解き、幅広い層に提示してきた活動は安吾の精神に通じる」と説明されました。(安吾賞選考委員副委員長 代読)

坂口綱男さん(坂口安吾 長男)は、これまでの安吾賞受賞者を振り返り、その多彩さが実に安吾らしい、安吾賞の姿が見えてきた、と語りました
篠田市長は『国家の罠』を読んでハマった、佐藤優さんのファンだとのこと。
シネ・ウインド代表齋藤正行(安吾賞選考委員副委員長・安吾の会世話人代表)は、「10年目の安吾賞」について記者に質問され、「あきらめないでやってるとできるんだなぁ」「安吾賞は新潟の誇り、10回続けて来られて感謝している」と、語りました。

新潟市特別賞の外山さんは新潟の高校ダンス部をずっと牽引されてきた方。今、新潟の高校ダンス部は全国的にも注目されています。今年度は全日本高校・大学ダンスフェスティバル(神戸)創作コンクール部門で、1位(新潟明訓)、2位(新潟中央)という素晴らしい成績でした。今回の受賞を機に、高校ダンス部を注目する人がもっともっと増えるといいなと思います。

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写真は受賞者発表記者会見より 左から、坂口綱男さん、篠田明新潟市長、シネ・ウインド齋藤正行

1月11日に東京で受賞者記者会見を開催、新潟市での授賞式などは未定とのこと。

坂口安吾さんが亡くなったのは1955年(昭和30年)2月17日。今年は60回目の安吾忌でした。
生まれたのは1906年(明治39年)10月20日、2016年は生誕110年にあたります。
来年も安吾さんの周辺はいろいろなことが起こりそうです。

今、「おこりそう」と打ったら、「怒りそう」と最初に変換されました。安吾さんは今頃、怒っているでしょうか、笑っているでしょうか。
安吾さんが生きていたら、きっと今の世相に喝を入れてくれることでしょう。

(月刊ウインド編集部 市川明美)

※取材記事は月刊ウインド2月号(2/1発行)に掲載します。