月刊ウインド2017年12月号(387号)

2017年11月29日
シネ・ウインド

表紙は、新潟県出身 漫画家・魚喃キリコ原作の、痛くて愛おしいラブストーリー「南瓜とマヨネーズ」(11/25~12/8上映)。

12月のシネ・ウインド上映作品の紹介&時間を掲載。(→12月の上映スケジュール)

〈あちらこちら安吾〉は、シネ・ウインドがドーンと応援した、演劇「戦争と一人の女」
の感想座談会&坂口安吾生誕祭111イベントレポート。同じものを見ても感想は様々で、
いろいろ盛り上がりました。

〈あ・ら・かると〉は、「知ったかアート大学新潟校」、「玉川太福浪曲独演会」、新潟市美術館「東京国立近代美術館工芸館名品展」、新潟県立万代島美術館「うつくしい暮らし展」、新潟古町えんとつシアター支配人による、「カトウコトノ『将国のアルタイル』原画展」の感想などなど。他にも、来館レポート、イベント報告、映画祭や本についてなど、盛りだくさん!

舞台屋織田組の作・演出、干場貴之さんの連載「しからば腹蔵なく申し上げなん」、第3回は劇団私事。公演「月が惑星」をめぐって、演劇のお話。

「サウンドトラック隊の映画音楽講座」は「三度目の殺人」や「ドリーム」など最近見た映画の音楽について。

音楽アート演劇など情報満載の「ピックアップ情報」、演劇公演や展覧会などの100文字感想「ピックアップレポート」にもご注目ください。
「ピックアップ情報」に載せる情報、「ピックアップレポート」用のミニ感想コメント、ともに募集中です。

大阪の天満天神繁昌亭支配人・恩田雅和「南の果てより愛をこめて」、コラムニストでアルビレックス新潟ウォッチャー えのきどいちろうさんの「どうしてこんなに映画なんだろう」、好評連載中!

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《もくじ》

1~2 スケジュール表 料金表 もくじ
3~11 シネ・ウインド インフォメーション
     「米軍が最も恐れた男 その名は、カメジロー」
     「クロス」
     「南瓜とマヨネーズ」
     シネリテラシーフェスタ2017
     「あさがくるまえに」
     日本バンカラロック「ヌーヴェルラゴン」
     「三里塚のイカロス」
     「全員死刑」
     「おクジラさま ふたつの正義の物語」
     「夜間もやってる保育園」
     「ポルト」
     「プラハのモーツァルト 誘惑のマスカレード」
     「ジュリーと恋と靴工場」
     「戦争のはらわた」
     「リングサイド・ストーリー」
     「セザンヌと過ごした時間」
12~13 事務局通信
14   来館レポート
     *「光と禿」青木克齊監督、田巻源太さん
    イベント報告 *新潟シティマラソン応援
15   イベント報告 *新潟ドイツ映画祭2017 新潟日独協会事務局長 青柳正俊さん
    近影 「ギミー・デンジャー」ディスプレイ
16   映画とともに
     *山形国際ドキュメンタリー映画祭 感想
     *第4回にいがた食の映画祭 感想
    映画とこころ 4 渡邉良弘
17~19 あちらこちら安吾
     *演劇「戦争と一人の女」感想座談会
     *坂口安吾生誕祭111 レポート
     *『安吾探索ノート第8号』発刊
    BOOK 『川を上れ 海を渡れ』
20~21 ウインド あ・ら・かると
     *知ったかアート大学 新潟校開校!
     *玉川太福浪曲独演会に寄せて
     *東京国立近代美術館工芸館名品展/うつくしい暮らし展/萬鐵五郎展 感想
    出店報告 ウインド掘り出しモノ市
22   演劇 「リチャード三世」/「トスカ」感想
23   しからば腹蔵なく申し上げなん 3 干場貴之
    No Poem,No Life 11 長澤忍
24   サウンドトラック隊の映画音楽講座 94 島田幸市
25   どうしてこんなに映画なんだろう 55 えのきどいちろう
    あ・ら・かると *「将国のアルタイル」展 感想
    猫と暮らして 49
26   声風―SEIFU―
    南の果てより愛をこめて 346 恩田雅和
27~28 ピックアップ情報
29   あ・ら・かると *「死ぬな!」第6版発行
    ピックアップレポート 編集後記

《スタッフコメント》
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TBSラジオ「神田松之丞 問わず語りの松之丞」が、すこぶる面白い。特番を除くと、今年4月に3ヵ月限定で深夜12時30分~放送され、現在は火曜日~金曜日の19時30分頃~10分の帯番組としてオンエアされている。ジョー山中「人間の証明」に乗せて「子どもの頃、私にとってラジオは大人の本音が聴ける場所でした。今ならネットで本音は溢れておりますが、言葉を選んだ本音、人に届く本音が聴けるのは、私にとってラジオだけだったと思っております」という口上から始まり、EGO-WRAPPIN’「色彩のブルース」をバックに「今日も無事じゃなく終わりました」と締めるこのラジオ。正に本音に充ちている。“当代きっての人気若手講談師”として知られる松之丞だが、番組では偽悪的なほどに妬み・ひがみ・嫉みに充ちた愚痴を披露する。その牙は番組スタッフやリスナー・観客・女子アナに始まり、講談師として生きる松之丞自身にも向かい、鋭い切れ味で森羅万象を笑いへと昇華してゆく。それでいて、その語り口には含羞も滲み、学生時代から落語・浪曲・講談を“観客”として見続けた“見巧者”として伝統芸能に寄せる愛が溢れる瞬間もある。ラジオというパーソナリティとリスナーとの距離が近く感じられる媒体を活かしきる語りは、堪らなく痛快だ。1983年生まれの松之丞の歩みを、杉江松恋が聞書きとして纏めた『絶滅危惧職、講談師を生きる』(新潮社)も、同世代の芸能者が語る芸談として、他人事とは思えない迫真を感じさせられた(私も立川談志の「らくだ」にぎりぎり間に合えた世代)。

松之丞師について讃える文章に添えるのもおこがましいが、私もにいがた映画塾制作の「にいがたニモ」(エフエム新津)でラジオパーソナリティーの真似事を務めたり、人前で話すことの多い身。「人に届く」言葉を紡ぐことの難しさを痛感することもある。伝統芸能の第一線で輝く松之丞師の語りに大笑いしつつ、何処かでその話芸からヒントを掴もうとしているのかもしれない。来年は高座に出掛けることを目標にしよう。    (久志田 渉)

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(月刊ウインド編集部 市川)