わんぱくだったモカも年齢を重ね、10歳、15歳、19歳と、あっという間にお年寄りの仲間入り。その間には、息子の結婚、お嫁さんの妊娠、娘の結婚・妊娠と、モカはそれをずっと見届けてきましたね。なんと思っていたのでしょう。きっと、「健ちゃんおめでとう。素敵なお嫁さんだね。美恵ちゃんおめでとう」と、言ってくれていたのだと思うよ。
だんだんと自分で便ができなくなり、大好きなパン、野菜も喉を通らなくなりました。夫婦二人の間に寝かせ、夜中におしっこをさせる日々が続き、モカも辛かったと思います。
どうすればいいだろうと思いながらも、19歳4ヵ月の令和3年11月28日の日曜日の午後、久しぶりに快晴だったので、夫婦二人でモカを抱っこして近所に散歩しました。珍しくまわりをきょろきょろ見渡して元気でした。
夕方、ご飯を食べさせようと見てみたら、静かに眠るように亡くなりました。その顔はとても穏やかでした。「みんなありがとう、これからも私を忘れないでね。ケンカしないで仲良くね。日和ちゃん、美恵ちゃん、元気な赤ちゃんを産んでね」と言っているよう、と思ったのは私だけかもしれません。
最後に。「モカ、本当に本当にありがとう。わが家に来てくれた救世主だよ、いつまでも忘れないよ、天国へ行ったらたくさん友達を作って、仲良くね」。
(辰口 晃〈2〉)
※月刊ウインド2022年9月号掲載
■月刊ウインドの人気連載、2回ずつで書き手が変わるリレーコラムです。
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