ラヴ・ストリームス〈ジョン・カサヴェデス レトロスペクティブ リプリーズ〉

ラヴ・ストリームス〈ジョン・カサヴェデス レトロスペクティブ リプリーズ〉
2023/10/2911/4
ラヴ・ストリームス〈ジョン・カサヴェデス レトロスペクティブ リプリーズ〉

流行作家のロバートは、数回の離婚歴のある流行作家。ハリウッド郊外の家で、秘書や若い女性たちと奇妙な共同生活を送っている。一方、ロバートのサラは、15年続いた夫ジャックとの結婚生活に終止符を打とうとしていた。サラは自らのナイーヴな神経と激しい気性とのバランスがとれず、何度も精神病院へ入院を繰り返し、彼女の狂信的な愛情に、ジャックは耐えられずにいた。2人は一人娘のデビーの養育権を巡って協議を重ねている。医者の勧めで、サラはパリへと向かうのだが、そこにも救いはなかった。
 ロバートは、ある日、前妻との息子アルビーを1日だけ預かることになる。しかし、初対面の父と子は、お互いに対応の仕方がわからない。そこへ、もう何年も会っていなかったパリから戻ってきたサラが訪ねてくる。姉との再会を喜ぶロバートは、留守をサラに頼み、アルビーを連れラスベガスに向かう。ホテルに着くと、ロバートはアルビーを残し、街に繰り出す。翌朝、ホテルに戻ったロバートにアルビーは泣いて抗議する。ロバートは怒りという形での困惑を表しながらも、初めて我が子を抱きしめる。そして、脅えて口も利かなくなったアルビーを母親の元へと送っていく。前妻の夫はそんなアルビーの姿を見て、手酷く殴られる。ロバートは心身共に傷つき、家に戻っていく。
 一方、サラは一人ボーリング場に行き、そこでケンという男と知り合う。久しぶりに明るさを取り戻したサラは、ロバートのことを心配し始める。しかし、その夜、娘のデビーからかかってきた電話により再び傷つく。翌朝、サラは多くの動物をロバートのために買ってくる。サラの常軌を逸した行動をロバートは心配する。そして、その不安は的中し、サラは発作を起こし倒れてしまう。
 嵐の夜、サラは夫や娘と和解する夢を見る。目覚めたサラは、その夢を正夢だと信じようとし、希望を持ち、ケンと出かけようとする。そんな姉をロバートは止めようとするのだが、なす術もなく、ただ別れの挨拶を窓越しに送るのだった。