大正時代に生きた自由なる女性＝伊藤野枝を描いた吉高由里子主演作『風よ あらしよ 劇場版』。本作の新潟初日にゲストトークを行ないました。お招きしたのは栃木県在住で伊藤野枝の四女・伊藤ルイさんと交流があった伊藤芳保さん。「阿賀に生きる」追悼集会で30年に渡りお付き合いのあるお方です。
あらためて驚いたのは伊藤芳保さんの資料保存と記憶力の凄さです。ご自身と伊藤ルイさんとの交流に始まり、彼女の足跡、両親である伊藤野枝・大杉栄に関する記録など、膨大な資料を駆使して誠実な語り口で伝えてくれたのは本当にありがたかった。きっとお客様も心動かされたこととと思います。
時間はあっという間に過ぎ、個人的に聞きたかった伊藤ルイさんが「阿賀に生きる」撮影が始まったことをどのような経緯で伊藤芳保さんに伝えたのかをお聞きしました。すると伊藤さん、ルイさんから頂いた直筆のはがきを取り出し、ルイさんが旅の途上で「阿賀野川沿いで水俣病映画の助監督をした佐藤真さんが新潟の映画を撮りはじめた」ことを記した内容を訥々と読んでくださいました。1988年のことです。「阿賀に生きる」が生まれる頃の記録を知ることができ感動しました
今日の記録はちゃんと見ていただけるようにしたいと思っています。ご期待ください。とても素晴らしかったとお伝えしておきます。伊藤さん、ありがというございました。今度は春に会いましょう！（井上経久）
