上映企画部だより 2025/1/20

若槻

毎週土曜日はシネ・ウインド会員による運営機関「上映企画部」打ち合わせの日です。

情報はどこから?

 こんにちは、上映企画部です。今回の会議では新年早々、嬉しいニュースが届きました。

 1月の上映作品『アット・ザ・ベンチ』『バグダッド・カフェ 4Kレストア』が予想を超える人数のお客様が観に来てくださり、大好評だったとのことです。上映企画部の一員として嬉しい限りです。個人的に『アット・ザ・ベンチ』は、月刊ウインドや当サイトでコラムを掲載したこともあって、多くの人が来てくれて良かったと安堵しました。観に来てくださった皆さん、ありがとうございます!

 さて、2025年が幕を開けて、今年の注目作が続々と発表されていますね。皆さんは、どのように映画の新作情報を入手していますか?

 情報の速さで言えば、SNSやテレビが強いと思います。しかし、近年の朝のニュース番組やバラエティー番組を見ると、最新のエンタメ情報を紹介するコーナーの時間がどんどん短くなっていて、多くの情報を得ることが難しくなっています。なんだか、エンタメの需要そのものが現れているようで少し寂しい気持ちにもなります。

 レビューからの情報が多いSNSでは、私もですが影響を受けやすい人は、書かれていた文が頭に残って素直な感想が出てこないなんてこともあるのではないでしょうか。「自分はいいなと思ったけど、イマイチだという感想が多かったなぁ」と考えてしまったり、いつの間にかレビューの言葉が刷り込まれ、観る前から作品に対して偏見を持ってしまうことも心当たりないでしょうか。気にしないようにと分かっていても、顔も知らない誰かの感想は強力で、まるで自分が元々そう思っていたかのように感じることも。

 個人的には、情報の取得には雑誌を好みます。SNSやテレビに比べると情報の取得に後れを取りますが、ライターや編集者に厳選された有益な情報が魅力的に伝わります。数ある新作の中からイチオシ作品が載っているので、それだけ自信を持ってオススメされるものなのかなと考えます。雑誌で、ポスターや予告だけでは惹かれなかった作品が紹介されていると、意外な新発見もあります。これも、影響を受けやすい私の性格から来るものだと思いますが…。また、特集テーマに沿って映画を紹介しているので、内容を知るだけでなく特殊な視点から詳細を知ることも。それによって、より興味が湧くのかもしれません。

  現在、様々な媒体から情報を得られますが、それをも上回るスピードで映画は製作されています。1人で得られる情報量には限界がありますが、複数人で情報共有をすることで一気に情報を得ることができます。上映企画会議に参加するようになって、部内の圧倒的な情報量の多さに驚き、私はまだまだ知らないことが多いなと痛感しました。

 日々増え続けている映画。そんな中、限られたスクリーンで、どの作品を選ぶのか。上映企画部の考えどころです。この調子で、皆さんに観たいと思ってもらえる作品をお届けできるよう尽力して参ります!

宮下千宙

偉大なる映画作家、デヴィッド・リンチ監督、ヤノット・シュワルツ監督の訃報に接し、心よりご冥福をお祈り申し上げます。