3/15㈯は新潟国際アニメーション映画祭のため上映企画会議はお休みです

国際女性デー
「女性には心だけでなく、知性と魂がある。美しさだけでなく野心と才能がある。それなのに女性の幸せが結婚だけなんておかしい。絶対間違っている!でも、たまらなく寂しいの」
私の忘れられない言葉の1つです。
先週の会議があった3月8日は、国際女性デーでした。国際女性デーとは、1975年に国連によって定められた女性の権利と地位を守る社会的、経済的、文化的、政治的な成果を称える日です。(HAPPY WOMAN ONLINE より引用)
近年の映画界では、女性にとっての幸せとは何かを問うフェミニズムの作品が多く見られるようになりました。その中でも特に印象に残っている作品があります。2019年に公開された『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』です。シアーシャ・ローナンが主演を務め、エマ・ワトソン、ティモシー・シャラメ、フローレンス・ピューなど今のハリウッドを代表する俳優達の豪華な共演が話題になった作品でもあります。
今作は、南北戦争時代を生きる4姉妹の物語で4者4様の女性としての考え方や生き方が描かれています。中でも相反する考えを持っているのが、長女のメグ(エマ・ワトソン)と次女のジョー(シアーシャ・ローナン)です。
ジョーは、小説家を夢みる賢く勝気な女性で、女性の幸せが結婚ということに疑問を持っています。一方、メグは結婚こそが幸せだと信じている穏やかな女性。女性にとっての人生のゴールが結婚だと言われていた時代、メグの考え方が一般的でした。
冒頭に書いた言葉はジョーの言葉です。それまで、結婚こそが女性の幸せだという考えに反発してきましたが、姉妹や親友が去って愛というものに正面から向き合ったときに放った言葉でした。自分の信念が間違いではないと確信していても、本当のところでは“誰か”の存在が必要だと思っているのです。誰かを必要としていますが、それでは信念を貫けない、ジョーの苦悩がよく分かる一言だと思います。


結婚における幸せとは何か、足りない頭で考えてみました。恋人がいる友人たちはよく「結婚はしたいけど、学校を卒業してすぐだとか、就職して1年、2年後は嫌だな」と言っています。「なんで?」と聞くと、「一人の自由な時間が欲しいから」と答えます。そう考えると、「あなたとこれからも一緒にいたい」とか「永遠に一緒に」といった言葉がプロポーズで使われがちですが、実際には一緒にいたいという願いよりも、相手の存在そのものが結婚を求める理由なのかもしれません。もしかすると、結婚における幸せとは、自分に絶対的な味方がいるという安心感を得ることなのかもしれません。
映画は1860年代の物語ですが、ジョーの苦悩は現代を生きる女性たちにも共感を呼んでいます。それは、結婚後に家のことに注力しなければならず、自由に外に出ることが難しくなると思っているからでしょう。たしかにそうした面もありますが、ジョーが言うように、女性にもあらゆる可能性があり、自分自身を縛らずにできることはたくさんあると信じる気持ちを持つことが大切なのかもしれません。
ちなみに、国際男性デーは11月19日。女性であっても男性であっても性別に縛られない自由な生き方ができる社会になれることを願っています。
宮下千宙