3月13日、シネ・ウインドにて『劇場版 BiSキャノンボール 2014』を観た。
アイドル映画というものは、いつの時代でも存在してきたが、今はアニメ界をアイドルものが席巻している。
僕は微塵も興味がないのだけれど、それでも、これほどまで人を惹きつけるアイドルというものに、自分なりの解答を出さねばならないだろうとは、ずっと考えていた。
そこに来てこれである。
いやはや、参った…。
とんでもない傑作じゃないか!
BiSメンバーの女のコたち、それを追う監督たち、マネージャーや名もなきファンのひとりひとり、あらゆる人間が”アイドル”という、わけのわからないものに突き動かされ、本気で笑い、怒り、そして涙する。
“IDOL”とは直訳すれば偶像である。
しかし、片仮名で”アイドル”としたときの、それが持つ意味は、もっともっと抽象的で掴み所がない。
ましてBiSというのは、その破天荒な活動ぶりで有名になったアイドル・グループだ。
そんなアイドルの常識を覆し続けてきた彼女たちだが、それでもなお”アイドル”という規範の中で行動しようとするのだから、もう何が何やら解らなくなってしまう。
その明確な答えを、本作がつまびらかにしているわけではないのだけれど、それでもひとつの糸口が見付かったようには思う。
良い映画体験だった。