『百姓の百の声』シネ・ウインド上映2日目。 高崎への移動前に立ち寄られた監督の柴田昌平さんの舞台挨拶もありました。 上映終了後のトークには、今回でこの作品を見るのが4回目!という、この作品が好きすぎる農業者、鴫谷幸彦さんが上越市吉川区から駆けつけてくださいました(聞き手は井上シネ・ウインド支配人)。
鴫谷さんは以前は農文協にお勤めでしたが、東日本大震災を機に、自分の本当にやりたいことは農業と新潟に移住し、現在は生産者としてはもちろん、消防団など地域を支えるメンバーとしても活躍されています。 見る度に発見があり、さまざまな観点から見られる作品というお話には、見るのが2回目の私も深く同意。 鴫谷さんの周りには移住して農業を始める若い人が増えていて、そういう人たちはこの作品で描かれたようなことに憧れて入ってくる、今、みんな忘れているけれどそれは遺伝子に組み込まれているものだから、という言葉には心を鷲掴みにされました! だから諦めずに農家を増やす努力をしなければ、という鴫谷さんの姿がとても心強かったです。
初日のトークに登場された、代々新潟の土を守ってきて、創意工夫をしながらそれを未来に繋いで行こうとしているお二人、そして移住して新しく始めた鴫谷さん。食や農を巡り、消費者として不安を感じることの多い昨今ですが、この作品に登場する方々も含め、生産者サイドにはこんなに魅力的な、頼り甲斐のある皆さんがそれぞれに頑張っていらっしゃるのだから、私自身もめげずに自分のできることをやっていこうと思いました。 井上支配人も話していらっしゃいましたが、この作品は、完成して劇場で上映されて完結というタイプの作品ではなく、見て、語り合い、そこから更に広がっていくことにこそ大きな意味があるのでしょう。 そういう意味では今、この作品は苗になったところかもしれません。 ぜひ劇場にその素敵な苗を受け取りにいらっしゃってください。その苗がそれぞれの場所で大きく育ち、豊かに実れば、息のしやすい美味しい空気が広がっていくように思います。
シネ・ウインドでの上映は3月17日(金)まで。上映情報はコチラ
(シネ・ウインド会員 まつい)