ミスマガジン2022の6人が、山梨のチアリーダーチーム、エリュマントスを演じる。しかしこのエリュマントス、母体となる野球チームは潰れ、閉鎖的な田舎町でまったく売れる気配がない。マネージャーは経営難から悪徳業者と繋がるほどの綱渡り営業をしながら、メンバーにはきつく当たる。そしてメンバーは将来の見えない現状を前に今後の身の振り方を巡って衝突。しかし、そんな6人が最後には力を合わせ、たとえどん底でも必死に生きる。そんな泥臭くて人間臭い物語に、笑って泣いて、最後は感動できる青春映画だった。
上映初日のシネ・ウインドでは、川瀬陽太さん、キングレコードの山口幸彦プロデューサーが舞台あいさつ。川瀬さんは「エリュマントスじゃなくておじさん2人ですみません」という自虐で最初から笑わせる。
山口さん曰く、講談社のミスコンであるミスマガジンで映画を作るプロジェクトはスポッテッドプロダクションズ直井卓俊さんの協力のもと去年から始まった。昨年の「ベイビーわるきゅーれ」の阪元裕吾監督の「グリーンバレット」に続き、今年は「辻占恋慕」の大野大輔監督。ミスマガジンを個性の強い映画監督が撮る面白さがこの2年で形になったと語った。
そんな大野大輔監督、なんでも舞台あいさつが苦手らしく、上映初日もエリュマントスは全員登壇したのに監督は不在だったとか。この日も不在の大野監督に対し、ひねくれた奴、人と目を合わせるのも苦手とイジるお二人。「辻占恋慕」で自ら演じた信太そのものじゃないか!しかしそんな大野監督も川瀬さんには心を開くとか。また川瀬さんは、そういう監督こそいい映画を撮る、特に台詞は面白いと称賛。最近は安易にキラキラを描いた青春映画も多い中、こういう人間のカッコ悪さを描いた青春アイドル映画があってもいい、是非見てほしいと語った。山口さんも、ミスマガジンの6人と面談した上で当て書きで脚本を書いた大野監督の、6人のキャラクターの描き分けを称賛した。
ところで川瀬さんは、同じく山梨の閉鎖的な田舎を描いた「サウダーヂ」にも出演しているが、撮影後に富田克也監督に連れられて温泉に行ったらしい。なんでも山梨の人にとって温泉は身近な娯楽とのこと。最後はそんなエピソードまで、本当に楽しい舞台あいさつをありがとうございました。是非またお越しください!新潟にも温泉がありますので!大野監督にもまたお会いしたいです!
(ちひろBLUES)