パレスチナ連帯スタンディング@新潟 これまでのあゆみ

シネ・ウインド

l シネ・ウインド前のスタンディングとちひろさんのかかわりについてお聞かせください

2023年10月にイスラエルによるガザへの攻撃が始まった直後は、恥ずかしながら状況がよく分かっていませんでした。危機感を持ったのは、ガザの病院が攻撃されて子供が大勢亡くなっているというニュースを見た時です。ちょうどその一年前に見に行った三上智恵監督の講演会を行った団体が、ガザでの虐殺に反対するスタンディングを11月に行うことを知り、初めて参加してみました。初めてのスタンディングは知り合いが一人もいなかったこともあり心細かったのですが、貴重な体験だと思いました。その気持ちを正直にSNSに投稿したところ、映像作家の小森はるかさんから連絡がありました。小森さんも友人の小林知華子さんと一緒にスタンディングをしたそうです。そこで、一緒にやろうという話になり、12月からシネ・ウインド前でのスタンディングが始まりました。「パレスチナ連帯スタンディング@新潟」という名前は、全国連帯デモに参加する時に決めました。月に一度、小森さんが呼びかけ人となって続けていますが、小森さんが参加できない時は僕が代わりに呼びかけ人をしています。

l 一昨年の秋からスタンディングを続けてきて率直にどう思いますか

まずはこの1年以上の間にもガザでは大勢の方が殺害されたことに対して怒りと悲しみを覚えると同時に、危険な状況下で今も生きている方々の無事を願います。虐殺に対して反対の意志を示すことは、人間として忘れてはいけない大切なことだと思います。すぐに状況が変わらなくても、何もしないよりはずっと意味がある。まずは第一歩を踏み出すことが大事だと思います。そして行動すれば出会いがある。一人で行動するのは孤独ですが、仲間の存在は本当に心強い。参加者の皆さんも、協力してくれるシネ・ウインドの皆さんも、本当にありがとうございます。またスタンディングをする人達は全国にいて、SNSを介して応援し合うこともあります。さらに虐殺に反対する人達は世界中にも大勢いる。国や人種を超えて反対の意志を示すべき時だと思います。そのための小さな一歩です。先日、6週間の停戦合意が発表された時に、一緒にスタンディングをした人と、こういう行動も停戦に繋がっていたらいいなと話しました。この停戦が恒久的なものになることを願って、これからもスタンディングは続けるつもりです。

l この間、参加者や通行する人たちの反応に変化はありましたか?

まず、自分が変わりました。路上で自分の意志を示すための自信がついて、精神的に成長しました。参加者の方は、ずっと参加してくれている方も、途中から参加してくれるようになった方もいます。シネ・ウインドの関係者や常連の方、久し振りに新潟に帰省した方、映画や演劇の関係者、学校の先生、政治家や議員の方まで、こんなに大勢の人達が関心を持ってくれていたのかと本当にありがたく思います。ミュージシャンの古田木綿子さんがガザで亡くなった詩人リフアト・アライールの詩「If I must die」をギターで弾き語ってくれた時は、音楽の力強さを感じました。また参加者の中には、イスラエルによるパレスチナの占領の実態を描いた演劇「占領の囚人たち」の上映会を企画してくれた方や、授業でガザ問題を取り上げている中学の社会の先生もいて、スタンディングが次の行動に繋がっているのも感じます。ガザ問題を伝えるチラシを作ってくれた方もいて、そのチラシはシネ・ウインド前に置かれ、スタンディングの時には配っています。ニュースでガザ問題を知った中学生と高校生の男の子や、韓国のBTSファンからガザ問題を知った女性が飛び入りで参加してくれた時は、路上で行動する意味を実感しました。歩きながら携帯電話に貼った「Stop Genocide」というステッカーを見せてくれた方もいます。路上や車の中から見てくれる方がいるだけでも意味があると思います。

l この記事を読んでいる人にメッセージがあればぜひ

正直僕は、一昨年の10月より前にはパレスチナとイスラエルの問題をまったく理解できていませんでした。でもスタンディングを続ける中で自分なりに調べるようになり、パレスチナの人達が不当に土地を奪われたり逮捕されたり殺されたりしてきた歴史を知りました。そしてその歴史の先に、イスラエルによるガザの虐殺がある。これは過去に起こった悲劇ではなく、現在進行形で起こっている現実。だったら世界中で行動を起こせば止められるかもしれない。すぐには難しくても、一日でも早く停戦に繋がれば、一人でも多くの命を救えるかもしれない。それにこの国際社会では、日本に住んでいてもパレスチナやイスラエルとも無関係ではない。そういう風に、自分の行動が世界の平和に繋がっているという想像力を持つことが大切かなと思います。そのためには、まずはガザの問題を無視せずに関心を持ってほしいです。そして虐殺を止めるために行動したいと思った時は、一緒にスタンディングに参加してもらえたら嬉しいです。行動する人が増えれば、それだけ世界が平和に一歩ずつ近づくはずだと信じています。