表紙は、累計2万7千部を売り上げた最果タヒの同名詩集を石井裕也監督が劇映画化した「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」(7/15~28上映)。
7/31ネタバレ映画茶会のテーマ作品でもあります。お見逃しなく!
7月のシネ・ウインド上映作品の紹介&時間を掲載。(→7月の上映スケジュール)
特集は「新潟絵屋 大倉宏インタビュー」https://www.cinewind.com/ed-news/18501/。
来館レポート、イベント報告、映画に関することや文学、演劇、美術、などなど、盛りだくさん!
連載「No Poem,No Life」(長澤忍)は新潟県現代詩人会のこと。
隔月連載「リアルタイム メヒコ 月刊ウインド版」(劇団第二黎明期・高橋景子)は最終回、「ユカタン半島旅行」と「モンテレイ映画体験」。スペイン語字幕の「この世界の片隅に」を見たお話!
台湾留学中のスタッフによる連載「小山の台湾日記8」は「ベジタリアンに優しい国編」。
大好評のリレー連載「猫と暮らして」は、特別編「犬と暮らして」、シネ・ウインド代表・齋藤正行宅愛犬の2回目。
音楽アート演劇など情報満載の「ピックアップ情報」も要チェック!
演劇公演や展覧会などの100文字感想「ピックアップレポート」も読み逃しなく!
「ピックアップ情報」に載せる情報、「ピックアップレポート」用のミニ感想コメント、ともに募集中です。
大阪の天満天神繁昌亭支配人・恩田雅和「南の果てより愛をこめて」、
コラムニストでアルビレックス新潟ウォッチャー えのきどいちろうさんの「どうしてこんなに映画なんだろう」、好評連載中!
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《もくじ》
1~2 スケジュール表 料金表 もくじ
3~11 シネ・ウインド インフォメーション
「標的の島 風かたか」
「まなざし」
「百日告別」
「未来よ こんにちは」
「人生タクシー」
「台湾ストーリー 4Kデジタル修復版」
「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」
「日本と再生 光と風のギガワット作戦」
「ママ、ごはんまだ?」
「カフェ・ソサエティ」「ホース・マネー」
タルコフスキー特集2017
「ローラとバイオリン」「僕の村は戦場だった」「アンドレイ・ルブリョフ」
「惑星ソラリス」「鏡」「ストーカー」「ノスタルジア」「サクリファイス」
「14の夜」
12 事務局通信
13 イベント報告
*バクシーシ山下の社会科見学in新潟5
*「はらはらなのか。」酒井麻衣監督 中継
14~15 来館レポート
*「まなざし」根岸季衣さん&卜部敦史監督
*「ママ、ごはんまだ?」原作・一青妙さん
*「息の跡」小森はるか監督
あ・ら・かると *「波のした、土のうえ」展
16 イベント報告
*「ニーゼと光のアトリエ」関連イベント 近 守さんトーク
*やすらぎ堤散歩に参加して
17 映画とともに
*「0円キッチン」上映会
*齋藤正行講演会in新発田 レポート
リレー連載 I like it ! ⑤
18 あちらこちら安吾 *坂口安吾まつりin松之山レポート *読書会
あ・ら・かると *「さわさわ会」会報発行!
19~20 新潟絵屋 大倉宏 インタビュー
21 あ・ら・かると
*弘前にて
*最果タヒと出会って
22 演劇
*「えんとつ王決定戦」観戦記
*Noism1公開リハ&本番 感想
あ・ら・かると *「北大路魯山人」展 感想
23 麗しの島フォルモサへ 小山の台湾日記9
No Poem,No Life 6 長澤忍
24 リアルタイム・メヒコ 11(最終回)
25 どうしてこんなに映画なんだろう 50 えのきどいちろう
「マイ ビューティフル ガーデン」上映記念 寄せ植え設置
特別編 犬と暮らして その2
26 声風―SEIFU―
南の果てより愛をこめて 341 恩田雅和
27~28 ピックアップ情報
29 ピックアップレポート 編集後記
《スタッフコメント》
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●その1
「長野県へのいざない ~パワースポット(と、勝手に思っている)巡り旅」
隣の長野県には、雪が溶け高速道路が走りやすくなる頃、5月か6月には必ず行っている。もう、通って14年になる。
勝手に、パワースポットとして巡っているのだ。が、はっきり言って、霊感はゼロである。特定の宗教を信じている訳ではない。行くと、気持ちが良くなるなあと思う地なのだ。どこを巡っているのか、ふむふむと読んでいただけたら、とても嬉しい。
○戸隠神社
特に、奥社へと導く、随神門から続いている杉並木が素晴らしい。参道の両側に、見上げる高さの杉が続く。長い年月を見守ってきた、杉並木。歩いていると、汚れが払われていき透明な気持ちになれる。
奥社までは、約2キロの上り坂だ。う~ん、足腰弱くなったら、お参りできないなあと思う。
奥社の祭神は、天手力雄命(あめのたじからおのみこと)。天の岩戸を開き、戸隠の地へと投げ飛ばした方である。神徳は、五穀豊穣、開運、心願成就などである。
奥社の後ろの山々は、ギザギザに波打つ岩山がそびえ立っていて、あれが岩戸だなと思っている。
写真 戸隠神社の杉並木
○善光寺
「牛に引かれて善光寺まいり」で名高い寺院である。
本尊は、絶対秘仏の一光三尊阿弥陀如来。宗旨を問わず、誰でもお参りできるお寺だ。いつ行っても、大勢の参拝客でにぎわっている。
わたしは、「お戒壇めぐり」が大好きなのだ。瑠璃壇下の真っ暗な回廊を進み、手探りで「極楽の錠前」を探すのだ。これが、怖い。本当の闇なのである。錠前を見つけられなかったらどうしようと、毎回泣きそうになっている。探り当てると、ホッとする。
○諏訪大社
信濃の国一之宮、諏訪大社は、諏訪湖を挟んで、4つお宮が建つ。
南には上社前宮、上社本宮、北には下社春宮、下社秋宮である。祭神は、建御名方神(たけみなかたのかみ)、八坂刀売神(やさかとめのかみ)、八重事代主神(やえことしろぬしのかみ)。神徳は、五穀豊穣、家内安全、健康長寿などである。
4つのお宮をすべて回るのも楽しいのだが、おススメは上社前宮である。諏訪大社が初めに祀られた地と言われている。小高い丘の上にある社は、深い森の中に建っている。
しかも、前宮だけが、四隅に立つ御柱すべてに触れることができる。御柱は、寅と申の年、6年に一度建て替えられるお祭りが大々的に行われている。
写真 諏訪大社上社前宮の御柱
○安曇野ちひろ美術館
神社、仏閣と同じように、わたしのパワースポットだ。北アルプスを背景に、広大な安曇野ちひろ公園の中に建っている。独特な淡い水彩のにじみ画法で、子どもたちの姿を描き続けた方だ。ちひろさんは、55歳の若さで亡くなっている。
昨年、ちひろ美術館館長・黒柳徹子にちなんだ「トットちゃん広場」が、美術館北側に完成した。トットちゃんの電車の教室も再現されている。幼い頃、子育ての頃を思い出して、初心に返ることができる場所だ。
写真 トットちゃんの電車教室再現
もちろん!パワースポット頼みだけではいけないことは、承知している。自分の努力なくして、道は開かれないのだ。のめしこきのわたしを反省し、肩をエイっと押してもらい、リセットする時間をもらう、長野への旅なのだった。
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●その2
「燕三条まちあるき~ものづくりの心に出会う「まちあるき」~2つのコースに参加して」
燕三条プライドプロジェクトツーリズムグループ(なんて長い名称!)主催の「燕三条まちあるき」(4/8~5/28)参加者募集のパンフレットを手に取り、これは行かなくてはと、受付事務局の燕三条駅観光物産センターに予約電話を入れた。
コースは全部で18コースもある。その中の2つのコースに参加した。
1.「失われた水辺の物語~昔の水路や標高差で燕の魅力再発見~」(5/20)
燕市産業史料館学芸員の齋藤優介さんをナビゲーターに、燕市内の暗渠(あんきょ)を巡っていった。
90年前の古地図を渡され、かつては川、用水路、排水路が張り巡らされ、今は蓋をされて道に、宅地にと姿を隠している水の道を辿っていくのは、探偵団のようでワクワクした。
川の恵みとともに、洪水で悩まされてきた地である。土地の標高差を考えながら、苦闘して街づくりをしてこられた、先人たちの知恵の結晶が詰まっている街である。
齋藤学芸員さんが、博識かつ親しみやすい口調で、的確な案内をしてくださった。さすがは、街を知り尽くしておられる。
説明を受けながら歩いていくと、学芸員さんは、街で会う人ごとに親しげに挨拶し、話しかけたり、説明をたった今会った人にお願いしたりするのだ。お願いされた人も、われら参加者に気軽にお話を聞かせてくれるのだ。なんて顔が広くて、人との敷居が低い方なんだろうと感心した。
この日は、ちょうど燕萬燈祭りの前夜日で、偶然にも萬燈を作っている場に出くわすことができた。祭り場は燕戸隠神社である。
やはり、まちあるきには、ナビゲーターである先達の存在が大切である。わからずに歩いていた街並みが、歴史を背負い立体的に立ち上がってくることを体験した。
2.「石川雲蝶 名工の技とマルナオ、諏訪田製作所を訪ねて 石動(いするぎ)神社編」(5/27)
集合場所は、吉野家フォーラム集会所だった。この吉野家地区に石動神社が鎮座している。拝殿には、江戸時代の名彫刻家、石川雲蝶の傑作がのこされている。神社は、苔むした石段を四百段も踏みしめて、息を切らして登った高台に鎮座していた。
雲蝶晩年の傑作は、まず拝殿正面頭上に「龍」が、とびかからんばかりの迫力だった。門柱には「唐獅子」が。拝殿回廊には「亀と鯉」「神功皇后と武内宿禰」「加藤清正と高麗人」の作品が。拝殿の欄間には「ヌエ退治」「大蜘蛛退治」「大百足退治」がある。雲蝶作品を初めて鑑賞し、どの作品も、木目を活かした美しさに見とれてしまった。県内に点在している、雲蝶作品を巡ってみたくなった。
つぎにお箸の「マルナオ」に移動した。箸やカトラリーを、手作業で切削、成形、仕上げと製造している。硬い黒檀や紫檀が原材料だ。箸の上部、八角形の形は、尖った先端まで同じ八角形のままで細くなっているそうだ。その細やかな手仕事ぶりに、驚いた。
最後に爪切りの「諏訪田製作所」を見学した。1千度に熱した金属を4百トンの圧力をかけて成形する。型枠から、爪切り部分として使われるのは、たった3割だそうだ。あとの7割は廃棄になる。もったいないが、金属にも成形時に年輪ができており、余裕を持って型取りをしないと、刃に狂いが生じるのだそうである。う~ん、深いなあと思ったのだ。
三条の地に、連綿と受け継がれている、ものつくりの職人技と意気に、感銘させられたまちあるきだった。人の情熱と根気は優れた作品を世に送り出すのだなあ。
(高橋さや)
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