二人静か

二人静か
2024/4/64/12
4/6(土) 坂本礼さん(監督)&中野太さん(脚本) 舞台挨拶&豪華プレゼント じゃんけん大会開催!
二人静か

娘を探し続ける夫婦、そこに現れた若い女
衝撃の展開でみせる愛とトラウマ、再生と喪失

出版社に務める雅之とその妻の涼子。どこにでもいる平凡な夫婦の生活は5年前を境に一変した。
5歳になる娘の明菜はある日突然姿を消し、今日まで行方知れずのまま。あの日娘を預けた涼子の父・丈志を涼子は恨んだが、認知症の進んだ父は涼子の母・初恵に介護されている。
そして娘の行方不明を機に雅之と涼子の仲は修復不可能なまでに冷えきっていた。わずかな手がかりを求めて街頭に立ち、道ゆく人に情報提供を呼びかける夫婦はチラシ配布を手伝ってくれる莉奈と出会う。
涼子は子供のいなくなった心の空虚を埋めるかのように、出産を控えた彼女との交流にのめり込むが……。

この映画の登場人物たちを見舞う非情な運命は、一見特異なシチュエーションながら決して絵空事ではない、明日誰もが陥ってもおかしくない不安な時代の反映である。

不条理なまでの現実に直面した複雑な感情のゆれを表情と佇まいと動きで表現して、重い設定をリアルな映画空間に変えてゆくのはふたりの主演俳優。次第に壊れてゆく涼子役に『夏の娘たち ひめごと』(2017年)『カウンセラー』(2021年)の西山真来。その彼女を無言の愛ですべてを受け止める雅之に『ぼっちゃん』(2013年)『愛しのノラ』(2018年)の水澤紳吾。夫婦の前に現れた身重の女性・莉奈役にドラマ『まんぷく』(2019年)『ケイジとハンジ 所轄と地検の24時』(2020年)のぎぃ子。奨学金返済のためにパパ活に走る華役に新鋭の裕菜。ほかに伊藤清美、佐野和宏、川瀬陽太、小林リュージュら個性派俳優が脇を固めている。
監督は『乃梨子の場合』(2015年)『夢の女 ユメノヒト』(2016年)の坂本礼。ピンク映画という修行期間を経て監督になった最後の世代である一方、プロデューサーとしても活動して数々のインディペンデント邦画の若手作家を支える稀有な存在である彼が、久々に放った監督作品で豊穣な経験に培われた己の映画づくりを実践している。脚本は『終末の探偵』(2022年/井川広太郎監督)『TOCKA タスカー』(2023年/鎌田義孝監督)、『天国か、ここ?』(2023年/いまおかしんじ監督)『花腐し』(2023年/荒井晴彦監督)と公開作があいつぐ中野太。