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2020/9/129/25
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東京郊外に暮らす、23歳の貴田(たかだ)ユマ(佳山明)は、シングルマザーの恭子(神野三鈴)と二人で暮らしている。恭子は身体に障害を抱えるユマを、過剰に面倒を看ることがあって、ユマには少し疎ましくもある。
 ユマは、親友で、少女コミックの漫画家のSAYAKA(萩原みのり)のゴーストライターをしているが、それは二人だけの秘密だった。アイドル並の容姿を持つSAKAYAはサイン会でも人気者だ。そんな姿を見て、ユマは羨ましく思うのだった。
 自分の名前で、大好きな漫画を描きたい。SAKAYAの担当編集者(宇野祥平)にも、原稿を見せるが、「メチャクチャ素晴らしい作品ですが、SAKAYA先生の作品に似過ぎちゃいますかね」と一蹴されてしまう。
 そんな時に目にしたのは、公園の片隅に捨てられたアダルトコミック誌。ユマは編集部に電話すると、「原稿を持ってきて」との返事をもらう。
 ユマは、未来を舞台にしたヒロインが優秀な遺伝子を求めて、男性と交わるSFを書き上げた。出版社で対応してくれたのは編集長の藤本(板谷由夏)。パラパラとページをめくりながら、「作品はいいけど、リアルさに欠けるんだよね。作家に経験がないのに、いい作品は作れないのよ。妄想だけで書いたエロ漫画なんて面白くないでしょ」と言うのだった。
 漫画を完成させようとするユマ。自分で経験しなければ描けないーその思いは自我と自立の第一歩となる。やがて、ネオン煌めく歓楽街で出会った電動車いすを自在に操る障害者のクマ(熊篠慶彦)、障害者を中心にサービスを行うデリヘル嬢の舞(渡辺真起子)、介護福祉士・俊哉(大東駿介)との出会いが新たな世界の扉を開いていく。そしてユマはある事実を知るのだった。