9/4(土)~9/17(金) シネ・ウインド上映 ※火曜定休
★上映時間→ https://www.cinewind.com/schedule/
★劇場受付と公式サイトで13日前より座席チケット販売中 購入はこちら→ https://cinewind.sboticket.net/
★9/1(水)より、新型ウイルス感染症拡大防止対策として座席を半減。1席おきの着席をお願いいたします
★9/4(土)上映後に、上映企画部によるミニトークあり(約10分)
〈ちっぽけな存在〉が いま、立ち上がる!
実話をもとに描かれる、お仕事エンタテインメント!
〇『サムジンカンパニー1995』のススメ〇
シネ・ウインド 韓国映画特集上映
“世界を韓動させる 人情激動の映画叙情詩”
喜ばしいことに、韓国からも面白い秀作映画が次々と届いておりまして、上映企画部は番組編成に迷ってしまう日々です。ということで、9月と10月、3作品の個性的な韓国映画を連続して上映していくかたちで編成してもらいました。第1弾となるのが『サムジンカンパニー1995』です。これは面白いんです。実際にあった公害問題や格差社会を基に製作されていますが、活きが良くて正義を重んじるスピリットが溢れてきて、愉しい作品です。いきなりのオススメ作品なので、ぜひ劇場までお越しいただきたいですね。
サムジンカンパニーというのは主人公たちが勤めている会社のことです。サムジン電子といいます。サムスン電子ではありませんよ。1995年の出来事ということなんですね。主人公たちは、この会社で8年勤めている女性社員3人組。なかなか優秀な能力と労働意欲をもちながら、大卒男社員たちの補助業務や雑用ばかりさせられて、どうも納得がいかない毎日なんです。ある日、自社工場の工業用廃水が川に流れ出ているのを見つけてしまった。会社に報せて調べてもらうも、どうも化学物質が少し流出してしまったらしい。はあ、少しだけなのかな、と自分たちで独自調査してみると、ビックリですよ。こっそりドバドバと多量に流出させているじゃないかと気づきます。さらにそのことを会社が隠蔽している事実にまで迫ります。どうなっているのか。この認められない女子たちが、自分たちの会社の暗部にどんどん近づいていく。そうしてどうなっていくのか。映画のなかも、観ているほうも、ビックリですよ。それはご覧ください。深刻な題材ですが、3人組の個性、団結、行動力、それが見どころです。
中心人物となるイ・ジャヨンを演じるのは、コ・アソン。ポン・ジュノ監督の『グエムル 漢江の怪物』で有名になったあの子です。ソン・ガンホの娘を演じていました。怪物に攫われてしまった、あの子ですね。立派になりましたなぁ。見事な女優になっておりますなぁ。『グエムル』でも川に有毒物質が流れていました。因縁深いですね。勝気で皮肉屋なチョン・ユナにはイ・ソム。綺麗な方ですなぁ。173cmという長身を活かしてモデルになったそうです。私が大好きな『ハイヒールの男』に出ておりました。チェ・ジウが主演した『ハッピーログイン』では恋愛上級者で新米ドラマプロデューサーを演じておりました。本作の演技も評価されて2021年青龍映画賞助演女優賞を得ています。眼鏡がトレードマークの数学天才、シム・ボラムを演じるのはパク・ヘス。こちらも話題になった『スウィング・キッズ』に出ていました。歌唱とダンスが得意だそうです。本作ではホテルに潜入して常務を探っていくというスリリングな面白ポイントを務めています。
イ・ジョンピル監督は人々の前向きさや活力を大事にして見せたかった。その意気が見事に出ました。いろいろな問題が必ずある。どうやって解決できるか。どうやったら変わっていけるか。考えて協力して進んでいくんだという、人間のポジティヴ。堂々としたスピリットを、監督は尊重して、大いに楽しませながら伝えてみせました。韓国映画も痛ましい悲恋ものや身の毛もよだつ暴力もの、腐敗した社会や凶悪犯罪ものばかりじゃあない。これだけ活気ある作品だってまだまだ作られる。そういうわけで、ジョンピル監督は韓国映画の期待の星。この映画はまず女性の方々に観てもらいたい。その逞しさに元気をもらってほしいですよ。
(上映企画部 若槻)
2020年 韓国 (1時間50分)
原題:삼진그룹 영어토익반 (SAMJIN COMPANY ENGLISH CLASS)
配給:ツイン 監督:イ・ジョンピル
出演:コ・アソン イ・ソム パク・ヘス
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