『幾春かけて老いゆかん 歌人 馬場あき子の日々』

若槻

📣好評を受け、アンコール上映📣

1/27㈯~2/2㈮ ※火曜休館

2023年 日本 1時間53分 配給:ヒッチハイク

監督:田代裕

プロデューサー:森川健一

音響効果:中嶋尊史

音楽:渡辺俊幸

語り:國村隼

題字:金澤翔子

出演:馬場あき子

瑞々しい「ある歌人」の肖像

 歌人、そして能楽や古典の深い造形に基づく諸活動。95歳を迎えた今も、伸びやかに活躍を続ける馬場あき子さんの姿を丹念に追ったドキュメンタリーが、昨年10月上映時の好評を受け早くもシネ・ウインドのスクリーンに再び登場する。

 いわゆる「大御所」然とせず、好奇心とこだわりの無さ、さり気ないユーモアで自若として生きる馬場さんの姿は、何より感動的。文学・伝統芸能を愛しつつ、あくまで「現代」に目を向ける姿勢と、瑞々しいその立ち振る舞いに、観る者の背筋もシャッキリするのだ。馬場さんが書き下ろした新作能「利休」が上演された「りゅーとぴあ」の様子や、滋味深い國村隼さんのナレーションにもご注目を。世代を超えて「如何に生きるか」、そのヒントを与えてくれるドキュメンタリーである。(久志田渉)(月刊ウインド2024年1月号より)