『チネチッタで会いましょう』

若槻

12/14㈯~12/27㈮ ※12/17㈫,24㈫休館

2023年 イタリア=フランス合作 1時間36分 

配給:チャイルド・フィルム

監督・製作・脚本・出演:ナンニ・モレッティ

脚本:フランチェスカ・マルチャーノ / フェデリカ・ポントレモーリ / バリア・サンテッラ

製作:ドメニコ・プロカッチ

撮影:ミケーレ・ダッタナージオ

美術:アレッサンドロ・バンヌッチ

衣装:シルビア・セゴローニ

セット:クリスティナ・デル・ゾット

メイク:フランチェスカ・バッファレロ / エスメ・シャローニ / ソニア・マッカパニ

編集:クレリオ・ベネベント

音楽:フランコ・ピエルサンティ

音響編集:パオロ・アミチ / フェデリコ・アモディオ

キャスティング:マヌエラ・デ・サンティス

出演:マルゲリータ・ブイ / シルビオ・オルランド /バルボラ・ボブローバ / マチュー・アマルリック / ジョルト・アンガー / イェジー・シュトゥル

個性が生む摩擦と光

 以前、雑誌で「人間はAIと異なり、正解か不正解かわからないことをする。そこに個性が現れるからこそ世の中は素晴らしく面白い」といった記事を読みました。本作の主人公も、あらゆる場面で自分の意見を貫きます。その意見は正しいかどうかに関わらず、彼の個性を形作る重要な要素であり、筋の通ったものです。

 しかし、周囲はその意志の強さにてんやわんや。それだけを見ると「この人、老害じゃん」などと言う人もいるかもしれません。でも、本当にそうでしょうか。「老害」とは、高齢者の一面だけを切り取って批判することではないでしょうか。

 彼の本当の良さは、そんな迷惑さも込みでストーリーのはしばしに滲み出ています。2022年12月に上映した『3つの鍵』のナンニ・モレッティ監督自身が映画監督を演じる本作。映画好きのあなたに選んでいただきたい一作です。(岩船暢子)(月刊ウインド2024年12月号より)

《上映時間》

12/14㈯~12/20㈮ 〇10:00~11:45 ※12/17㈫休館

12/21㈯~12/27㈮ 〇13:10~14:55 ※12/24㈫休館