11/23㈯は周年祭パーティーのため、上映企画会議はお休みです
2024年は時代劇とホラー映画の隆盛をみる
先日は2024年は時代劇が豊作であったことを記述しましたが、今年はホラー映画もたくさんありましたね。夏目大一朗、内田英治、清水崇、豊島圭介、白石晃士、内藤瑛亮、黒沢清監督の新作がありましたし、Youtube動画とその書籍が映画になった『変な家』が上半期国内興収第4位と健闘。『クワイエット・プレイス』や『プー あくまのくまさん』『テリファー』『SAW』シリーズの続編のみならず、『ビートルジュース』、『オーメン』、『エイリアン』の新作からダリオ・アルジェントのドキュメンタリーまでやって来るって、毎年思うことですが、いま令和何年でしたっけ??
そういうわけで、39周年祭とパーティー前夜に関わらず、前々から期待しておりました、タイからの”ダークハウスもの”で『心霊写真』の脚本を手掛けていたソーポップ・サクダービシットというSAWなのかPOPなのかサイダーがビシッとしてるような名前の監督による新作『バーン・クルア 凶愛の家』を観てきました。この監督は本当に世界各国のホラーや怪奇に熱心で、創意が漲っている作家だなと唸ってしまうくらい面白い作品でした。本編が2時間を超えるホラー映画も久々に観た気がしますが、手抜かりない真剣な心理劇にトリック撮影を活かしたオカルティックでグロテスクな前衛的スリル&ショックの波状攻撃で弛み知らずの造りとなっていました。
ハリウッド映画製作力が低迷した影響もあって、これまではSFやアクション大作がズラリ並んでいたシネコンさんの上映ラインナップにも変化が見られます。日本映画の娯楽作やドキュメンタリー、健全文化的なヒューマンドラマ、劇場版アニメーション、そしてホラー映画のビジュアルが並列している様子を見るに、現代の映画事情やブームの移ろいを感じますね。ちなみに長いこと待ち望んでいたデンマーク・ホラー『モルグ 屍体消失』デジタルリマスター版、イマジネーション・ホラーの野心作として注目される『SKINAMARINK/スキナマリンク』のアナウンスがあり、パブリックドメインによるホラープロジェクト『マッド・マウス ミッキーとミニー』の日本公開も決定済みとのっぴきならないようなホラーブームは来年以降もまだまだ続いていくようなので、血の巡りを良くするつもりで愉しませてもらおうかと思います。
今年からスリルに特化した上映企画【CW恐怖映画選】を発足、9月は第1弾『ヘル・レイザー』を上映し、39周年祭にて第2弾『極道恐怖大劇場 牛頭』、12月は第3弾『Chime』をお届けしていきます。洋邦新旧を問わず、様々なホラージャンルを検討中です。全国的に跋扈している不穏でいて痛快な映画ブームに上手く相乗出来たらな、と考えておりますので、血流をサラサラにしたい方々は是非ご注目ください。(若槻健人)
11月現在、上映についてアンケートを実施しています。よろしければ劇場や作品についてご意見・ご感想をお聞かせください。毎週土曜日の上映企画会議にて参考にいたします。
また、書棚横に設置してありますロビーノートにも映画の感想などご記入いただけます。こちらは月刊ウインドに感想のコメントが掲載される場合がありますので、よろしければ一筆をお願いします。