毎週土曜日はシネ・ウインド会員による運営機関「上映企画部」打ち合わせの日です。
いつもは上映企画部の会議の様子をお届けしていますが、今回は3/2㈯から上映するカウリスマキ監督最新作『枯れ葉』の公開に向けた記事をお届けします。
筆者の長谷川はこれまでカウリスマキ監督作品をひとつも観たことがありませんでした。シネ・ウインドでの上映が決まり、これを機に勉強してみようと思い、過去作品をいくつか鑑賞しました。
私が観た作品は、労働者三部作と呼ばれる『パラダイスの夕暮れ』『真夜中の虹』『マッチ工場の少女』。そして、敗者三部作と呼ばれる『浮き雲』『過去のない男』『街のあかり』。さらに代表作でもある『レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ』を鑑賞しました。
作品に共通しているのは、監督の出身国フィンランドに生きる労働者の姿が鮮明に、ときにはシビアに描かれているところです。プロレタリアート・ムービーとでもいうのでしょうか。突然の解雇通知、勤務先の閉鎖、職場での人間関係など、登場人物たちは数々のトラブルに見舞われます。そんな姿に日本人としてもシンパシーを感じずにはいられません。
また、北欧の国フィンランドの凍てつく空気感は、新潟の情景ともなんだかリンクしてしまいますね。カウリスマキ監督作品は、新潟県民にとって相性がいいのかもしれません。
さて、私が特に気に入った作品は『真夜中の虹』『浮き雲』『過去のない男』でした。どん底に堕ちてしまった人々による苦悩と藻掻き。それでも明日を生きるというパワーを感じました。これから公開する『枯れ葉』も楽しみです。前作『希望のかなた』、そして監督引退宣言から6年ぶりの新作。新たなカウリスマキをこの目で観てみたい!そう思いながら公開を待ち望んでいます。
新作の内容ももちろん気になりますが、過去作を観てきた私としては、「どんなBGMが使われるだろう」「また犬は出てくるかな」そんなことも考えています。是非、皆様もカウリスマキ監督最新作『枯れ葉』をご鑑賞ください。(長谷川)