上映企画部だより 2024/8/20

2024年8月20日
若槻

毎週土曜日はシネ・ウインド会員による運営機関「上映企画部」打ち合わせの日です。

 39周年祭プログラムがほぼ定まってきました。例によって前々から温存してきた特集上映企画、自分たちのやりたいこと、いま観てもらいたい案件が豊年満作に揃う上映行事となります。インド、アニメ、俳優、佐渡、映画館、筆舌に尽くしがたい文化の妙味を、日頃のご愛顧に感謝してお届けできたらと思います。今年の周年祭は11/23㈯から3週間開催を予定。どうぞよろしくお願いします。

 9月から上映企画、【CW恐怖映画選】がスタート。夏の恒例行事としてきた【ウインド恐怖映画祭】をリブート、スリリングな映画体験をより広く、より長く面白がってもらえるよう、ジャンル映画の更なる盛況を目指す新起動になります。その第1弾には、「おっ、あれが来るのか」と「えっ、こういうのがあるんだ」という趣の発露が沸き起こるような、先鋒に相応しいタイトルを選出しました。1987年に初公開された『ヘル・レイザー』はイギリスの鬼才小説家クライヴ・バーカーが自ら脚色・監督に乗り出した渾身のホラー映画。全米大ヒットを記録し10作品に及ぶシリーズ化に渡った騒然の初作が最新デジタル・リマスターで復活上映。

 こちらはセレクトショップ「FREAK’S STORE」をはじめ、様々な事業を⼿がけるデイトナ・インターナショナルさんが新たに立ち上げた映画配給/宣伝レーベル《FREAK’S MOVIE》(フリークスムービー)の第1弾タイトルでもあります。映画を観るうえで配給まで気にされる方はそうそういないと思いますが、わたしたち劇場側のスタッフは上映企画会議と番組編成の際には常に気に掛ける存在であります。映画配給とは「作品を買い付けて、公開するため映画館に販売する」務めを担います。企画・製作と上映劇場の間に立つ存在であり、映画興行に必須の存在となるわけです。

 シネ・ウインド上映企画はさまざまな配給会社さんと繋がりを持って、国内外のより多様な作品をお届けして愉しんでもらえるよう思案しています。新たな配給さんとのご縁を大切にするというあたりも、本作の選定した理由でもあります。当劇場では2年前に独自の上映企画として《映画配給会社特集》を実施しました。「配給」をフィーチャーする試みは全国的にも珍しく、映画鑑賞のうえで新たな視点をもってもらえる機会にもなるかと思います。《映画配給会社特集》は今年も久々に実施予定。周年祭プログラムのひとつとして予定していますので、どうぞご期待ください。

 そして9/28㈯より上映の【午後6時の秀作選】、第4弾となるのは香港と日本のアクション対決『帰って来たドラゴン 2Kリマスター完全版』。上映企画部をいろいろな意味で震撼させた熱烈カンフー映画の復活ぶりに、数多の候補作品を押しやって台頭してきたアクション篇。ドニー・イェンの新作映画が上映できなかった無念を晴らしてもらうべく、アクション・レジェンドの競演をパワープッシュ。ドラゴニックな活気をもたらしてもらおうと上映決定した次第です。

 なんでも秋田県の昭和レトロ映画館・御成座さんの夏休み興行【WBLC2023ワールド・ブルース・リー・クラシック2023】の『ドラゴン怒りの鉄拳』上映でお客さんの約3割が小中学生だったとか。「令和の世において夏休みの子どもたちにカンフー・ブームが巻き起こっていたとは」と従業員を驚かせた事態は、映画館関係者として大変興味深い報せでした。「よし、あとに続け!」と意気込んでみて新潟の子どもたちにまでカンフーブームがアウトブレイクするかどうかは分かりませんが、やるからにはとことん盛り上げてみせたいですね。(宇尾地米人)

当劇場でも出演作品を上映してきました、

名優ジーナ・ローランズとアラン・ドロンの訃報に接し、

心より哀悼の意を捧げます。